「バランス・スコアーカード(BSC)」は戦略の策定や展開を進めやすくする経営管理手法の1つ。
企業や部門単位のビジョン・戦略を実現するため、複数(4つの場合が多い)の視点でバランスよく目標を立てて図式化し、その達成状況(スコアカード)で評価する、というのだ。
経営戦力をだれでも分かりやすい形に整理できること、戦力の進ちょく状況を評価しやすいこと、などが特徴である。
BSCの作り方は企業によって違うが、基本形として7ステップがある。
@ ビジョンと戦略の策定
「ビジョンと戦略」は以降の作業の基本となる。このステップは軽視されがちだが、ビジョンなしではBSCは単なる指標管理になってしまう。既にビジョンが策定されている場合でも、以降のステップと関連付けられる明確な内容になっているかを見直すべきだろう。
A 視点の洗い出し
ビジョン・戦略を実現するための「視点」を決める。
一般的には、「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点を使うことが多い。この4つにはある程度普遍性があるが、「これにこだわる必要はない」(横浜国立大学院の吉川武男教授)。
リコーは。組織として重視するという意思表示のため、「環境」の視点をいれている。
B 戦略目標の設定と組織マップ作成
ビジョン・戦略を実現するための具体的な「戦略目標」を、Aで決めた視点に沿って設定する。さらに戦略目標を「目的と手段」の関係になるように矢印でつないで図式化した「戦略マップ」を作る。例えば「顧客満足度を上げる」(顧客の視点)という戦略目標を「収益の拡大」(財務の視点)とつなぐ。
C 重要成功要因(CSF)の洗い出し
戦略目標を達成するために重要な要因を考える。
D 業績評価指標(KPI)の設定
CSFに対応して、施策の成果や過程を継続的に評価・測定できる指標を設定する。「財務」の視点の戦略目標・CSFに対応するKPIなら売上高やキャッシュフローなどが定番だが、「学習と成長」を測るKPIは難しい。試行錯誤しながら、独自の指標を考えていくべきだ。
原則としてよくいわれるのは、「自分で変えられる」こと。「『収穫量拡大』が戦略目標なら、KPIが『日照時間』ではダメ。『雑草を抜いた本数』ならよい」
E ターゲット(数値目標)の設定
KPIの数値目標を決める。低すぎると経営改善につながらない。過去の実績や、競合他社の数値などを参考に、挑戦的な目標に設定すべきだ。
F アクションプラン(行動計画)の作成
戦略目標に対し、KPIの目標数値に近づけるような行動計画や施策を具体的に決める。